ラプラス変換
この広義積分(定積分)を計算する際に、とが代入されるのでは消えて、ラプラス変換はの関数になる。
もとの関数にをかけることによって、を収束させて、と軸に囲まれた部分の面積を計算している。
において、
①:の大きさに影響
⇒という条件の元でラプラス変換できる。
②:を振動させる(だから)
を原関数、を像関数と呼ぶ。
積分区間がなのは、工学の世界では原因の前に結果が起こる(例:入力信号が入る前に出力信号が出る)ということはあまりないので、時間の部分を考えなくて良いからである。
逆ラプラス変換
これは逆ラプラス変換の定義で、像関数F(s)から原関数f(t)を求める式である。この複素積分を計算する方法を2つ紹介する。
[1]留数定理を使った計算法
①極
において
<例1>なら、s=aは3位の極、s=bは5位の極
<例2>なら、s=cは4位の極、s=dは1位の極
②留数
留数:ローラン展開における次の項の係数
において、がm位の極のとき、
留数
③留数定理
図2.1のような積分経路なら、
③ジョルダンの補助定理
上の図の積分経路において、が成り立つ。証明略
④留数定理とジョルダンの補助定理で計算
積分経路に内側に極があれば②の留数定理を使うことが出来る。ここでの半径は∞なので、全ての極がの中にある。
よって、
したがって、逆ラプラス変換は下のような留数の和として計算できる。
[2]部分分数分解を使った計算法
微分や積分の公式を覚えたときのように、原関数と像関数のセットを暗記して計算する方法。
このように線形性があるため、以下のようなものを覚えていれば計算できる。
この方法でのラプラス変換/ラプラス逆変換には、テクニックや覚え方、簡単に公式を導出する方法、コツなどがあるので、後に別の記事で説明する予定。