ELECTRIC💡陰キャ@高専生

電気系の高専生が書いています。迷走しています。

【首席】高専で成績学科1位を取った方法

 

今年度の成績

創造工学実験:88点(平均81)

電気回路:94点(平均64)

プログラミング:95点(平均81)

電気電子演習Ⅱ:88点(平均68)

電気電子演習Ⅲ:98点(平均85)

デジタル回路Ⅰ:96点(平均73)

デジタル回路Ⅱ:100点(平均77)

化学Ⅱ:96点(平均72)

物理Ⅱ:98点(平均82)

微分積分Ⅰa:100点(平均73)

微分積分Ⅰb:100点(平均76)

線形代数:100点(平均75)

英語Ⅱ:95点(平均79)

英語表現Ⅱ:97点(平均76)

国語Ⅱ:90点(平均76)

倫理:89点(平均69)

保健体育Ⅱ:81点(平均83)

 

テストで1位を取った方法

まず、最初に断っておくけど、成績はテストだけでは決まらない。

レポートや課題も、成績のうちのかなりの割合を占めるのは事実。

しかし、俺は評価の高いレポートを書く方法なんて知らない。

俺から教えられるとすれば、テストの点数を上げる方法だ。

俺は以下の方法で、1年間で100点の答案を15枚生産した。

数学は先取りで勉強

高専みたいな工業・工学系の分野、特に電気系は、数学を基礎としている。

数学を先取りしておけば、数学系の教科だけでなく、専門科目も理解しやすくなる。

俺は2学年分先まで数学を予習してあるから、数学の授業や定期試験の勉強は復習になっている。

そのため、今年受けた数学のテストは8回中7回100点だった。(1回は後期末の線形代数97点)

さらに、数学の予習は計算力を鍛えるトレーニングになる。

何年分も予習するとなると、量が膨大なので、毎日計算することになるからだ。

そのため、計算量の非常に多い電気回路のテストでは、平均点を大幅に上回ることが出来た。

テスト勉強は早く始める

俺は念のため、テスト勉強を1か月前から始める。

 

習ったことの積み重ねのような教科もあるから、昔習ったことを忘れていたら、そこから勉強し直さないとならない。1か月あれば、そういうところからやり直すことが出来る。

 

また、覚えることが膨大な教科もある。

暗記は、インプット(教科書・レジュメを読む)とアウトプット(問題を解いて思い出す)を繰り返すことで、暗記できている割合が増えていく。

テストに出ることの90%以上を覚えるには、個人の暗記の才能にもよるが、俺の場合はインプットとアウトプットを3セット以上繰り返す必要があった。

 

教科書や問題集には、解いておくべき問題がたくさん載っている。

これらを解けるようにするために、2周以上は解きたいものだ。

2周以上解くためにも、1か月のテスト勉強の期間を設けておきたい。

 

1位取れるかは運次第

1位を取るには、自分より高得点の人がいない必要がある。完全に他人次第。

全部100点なら絶対1位だろうけど、そんなの無理に決まってる。

ただ、これくらいやれば、かなり上位になるはずだ。

微分方程式③同次形

同次形\frac{dy}{dx}=f(\frac{y}{x})

この形の微分方程式は、u=\frac{y}{x}と置くことで、変数分離形に変形できる。

u=\frac{y}{x}と置く

y=xuと変形する

③両辺をx微分して\frac{dy}{dx}=u+x\frac{du}{dx}にする

\frac{dy}{dx}=f(\frac{y}{x})\frac{dy}{dx}=u+x\frac{du}{dx}u=\frac{y}{x}を代入する

この操作を加えることにより、u+x\frac{du}{dx}=f(u)となる。

これを変形すると、\frac{du}{dx}=\frac{f(u)-u}{x}となり、\frac{1}{f(u)-u}du=\frac{1}{x}dxとして解くことが出来る。

両辺を不定積分して\int\frac{1}{f(u)-u}du=\int\frac{1}{x}dxが得られ、ここからy=xuu=\frac{y}{x}の関係を用いて解が求まる。

【例題1】微分方程式\frac{dy}{dx}=\frac{x-y}{x+y}を解け。

  [解]右辺の分母分子をxで割れば\frac{x-y}{x+y}=\frac{1-\frac{y}{x}}{1+\frac{y}{x}}になる。(約分)

    u=\frac{y}{x}と置くと、y=xuより\frac{dy}{dx}=u+x\frac{du}{dx}となり、

     この微分方程式u+x\frac{du}{dx}=\frac{1-u}{1+u}に変形できる。

     ここから、x\frac{du}{dx}=\frac{1-2u-u^2}{1+u}

   \frac{u+1}{u^2+2u-1}dy=-\frac{1}{x}dx

   \int\frac{\frac{1}{2}(2u+2)}{u^2+2u-1}du=-\int\frac{1}{x}dx

   \frac{1}{2}\log|u^2+2u-1|=-\log|x|+c

   移項して\frac{1}{2}\log|u^2+2u-1|+log|x|=c

   両辺を2倍して\log|u^2+2u-1|+2\log|x|=2c

   \log|x^2(u^2+2u-1)|=2c

   x^2(u^2+2u-1)=\pm e^{2c}

   \pm e^{2c}は任意定数なので、これをCと置けばx^2(u^2+2u-1)=C

   u=\frac{y}{x}より、x^2(\frac{y^2}{x^2}+2\frac{y}{x}-1)=C

   y^2+2xy-x^2=C

次の記事では一般的な1階線形微分方程式の解き方について書きます。

微分方程式② 変数分離型

変数分離型\frac{dy}{dx}=f(x)\cdot g(y)

この形は\frac{1}{g(y)}\frac{dy}{dx}=f(x)と変形できる。

この両辺をx積分すると、

左辺は置換積分で、\int{\frac{1}{g(y)}}\frac{dy}{dx}dx=\int\frac{1}{g(y)}dyと変形できる。

右辺は\int{f(x)dx}になる。

よって、この微分方程式の解は\int\frac{1}{g(y)}dy=\int{f(x)}dxである。

これは\frac{dy}{dx}=f(x)\cdot g(y)を形式的に\frac{1}{g(y)}dy=f(x)dxと変形して両辺に\intをつけた結果と同じである。

【例題1】\frac{dy}{dx}=2xyを満たす関数yを求めよ。

 [解答]\frac{1}{y}dy=2xdxと変形出来る。

   両辺に\intをつけて\int\frac{1}{y}dy=\int{2xdx}にして不定積分すると、

   \log|y|+C_2=x^2+C_1となり\log|y|=x^2+(C_1-C_2)と変形できる。

   C_1-C_2は任意の定数なので、これをc=C_1-C_2と置くと、log|y|=x^2+c

   これを変形すると、y=\pm e^{x^2+c}=\pm e^c e^{x^2}となる。

   \pm e^cはただの任意定数なので、これをC=\pm e^cと置けば、y=Ce^{x^2}

次の記事「微分方程式③」では同次型について書きます。

微分方程式①

今回は、ただ不定積分するだけで解が求められる微分方程式を紹介する。次の記事からは、少し工夫が必要なものを紹介する。

1階:\frac{dy}{dx}=f(x)

微分してf(x)になる関数yを見つけることが目的なので、このタイプはただ両辺を不定積分すればいい。解はy=\int{f(x)dx}になる。不定積分なので積分定数が出てくる。

【例題1】\frac{dy}{dx}=4xを満たすyを求めなさい。

 [解答]両辺を積分してy=\int{4x}dx

    よって、y=2x^2+C(Cは定数)

定数Cが1であってもπであってもeであっても、【例題1】の微分方程式を満たす。

定数Cの値によって、この微分方程式の解は無数にある。

2階:\frac{d^2y}{dx^2}=f(x)

2回微分してf(x)になる関数yを探すため、両辺を2回不定積分する。

解はy=\int{(\int{f(x)}dx)}dxになる。これも不定積分なので、積分定数が出てくる。

積分定数は2つ出てくる。

【例題2】\frac{d^2y}{dx^2}=6xを満たす関数yを求めなさい。

 [解答]両辺を積分すると、\frac{dy}{dx}=\int{6x}dx=3x^2+C_1

    もう一度両辺を積分すると、y=\int{(3x^2+C_1)dx}=x^3+C_1x+C_2

次の記事「微分方程式②」では、変数分離型を紹介します。

重積分の基礎

積分とは

下のようにn変数関数をn個の変数でn回積分する。

\iiint_{V}f(x,y,z)dxdydz

Vは積分領域で、3重積分なので立体になっている。

 

2重積分の計算法

\iint_{D}f(x,y)dxdy

今回は2重積分しか扱わない。

積分領域

積分領域はDで、平面になっている。

1変数関数の場合は直線上での積分なのでa\leqq x\leqq b\int_{a}^{b}f(x)dxのように計算出来たが、2変数関数では平面上での積分になるのでそれが出来ない。

D={(x,y):x^2+y^2\leqq 1,0\leqq y\leqq\frac{1}{2}}などのように書いておくしかない。

計算法

例題を通して計算法を説明しようと思う。

一番簡単なのは長方形で囲まれた領域での積分だ。

【1】

\iint_{D}(x^2+y^2)dxdy(D={(x,y):-1\leqq x \leqq1,-1\leqq y\leqq 1})

<解答>

与式=\int_{-1}^{1}(\int_{-1}^{1}(x^2+y^2)dx)dy

  =\int_{-1}^{1} [ \frac{1}{3}x^3+xy^2 ]_{-1}^{1}dy(この段階ではyは定数として計算してよい)

  =\int_{-1}^{1}(\frac{2}{3}+2y^2)dy

  =[ \frac{2}{3}y+\frac{2}{3}y^3 ]_{-1}^{1}

  =\frac{8}{3}

しかし、積分領域は長方形であるとは限らない。

【2】

\iint_{D}xydxdy(D={(x,y):x^2+y^2\leqq x,y\geqq 0}

<解答>

積分領域Dについては,x^2+y^2\leqq x,y\geqq 0を解くと、0\leqq x\leqq 1,0\leqq y\leqq\sqrt{x-x^2}が得られる。

よって、

与式=\int_{0}^{1}(\int_{0}^{\sqrt{x-x^2}}xydy)dx

  =\int_{0}^{1}[ \frac{1}{2}xy^2 ]_{0}^{\sqrt{x-x^2}}dx

  =\frac{1}{2}\int_{0}^{1}(x^2-x^3)dx

  =\frac{1}{2}[ \frac{1}{3}x^3-\frac{1}{4}x^4 ]_{0}^{1}

  =\frac{1}{24}

このように、積分領域が長方形でない場合は、

\iint_{D}f(x,y)dxdy=\int_{a}^{b}(\int_{g_1(x)}^{g_2(x)}f(x,y)dy)dx

\iint_{D}f(x,y)dxdy=\int_{c}^{d}(\int_{h_1(y)}^{h_2(y)}f(x,y)dx)dy

のように変形すれば計算できる。

変数変換

積分領域Dや被積分関数の形によっては、被積分関数f(x,y)x=g_1(u,v),y=g_2(u,v)とおいて、f(x,y)=f(g_1(u,v),g_2(u,v))=h(u,v)に置き換えてu,v積分した方が計算しやすい場合がある。

x,y積分するときはdxdyを足し合わせていたのだが、u,v積分するときにはdudvを足し合わせる。しかし、dxdydudvでは大きさの比率が異なる。

これを解決するため、変数変換するときには

ヤコビアンJ(u,v)=\begin{vmatrix}\frac{\partial{x}}{\partial{u}} \frac{\partial{x}}{\partial{v}}\\ \frac{\partial{y}}{\partial{u}} \frac{\partial{y}}{\partial{v}}\end{vmatrix}を用いてdxdy=|J(u,v)|dudvと変数変換する。

|J(u,v)|\begin{pmatrix}\frac{\partial{x}}{\partial{u}}\\ \frac{\partial{y}}{\partial{u}}\end{pmatrix}\begin{pmatrix}\frac{\partial{x}}{\partial{v}}\\ \frac{\partial{y}}{\partial{v}}\end{pmatrix}の2つのベクトルが成す平行四辺形の面積になっている。2次元極座標(r,θ)のような形についても、微小区間で見れば平行四辺形に近似できる。ヤコビアンの計算には偏微分が使われているので、微小区間として見てよい。

dxdydudvの比率は場所によって変わるが、J(u,v)u,vの関数であるためカバーできる。

【3】

\iint_{D}\cos(x+y)\sin(x-y)dxdy

(D={(x,y):0\leqq x+y\leqq\frac{π}{2},0\leqq x-y\leqq\frac{π}{2}})

<解答>

u=x+y,v=x-yと置くと、u+v=2x,u-v=2yなので、x=\frac{u+v}{2},y=\frac{u-v}{2}と表せる。

J(u,v)=\begin{vmatrix}\frac{1}{2} \frac{1}{2}\\\frac{1}{2} -\frac{1}{2}\end{vmatrix}=-\frac{1}{2}

積分領域は0\leqq u\leqq\frac{π}{2},0\leqq v\leqq\frac{π}{2}になる。

与式=\int_{0}^{\frac{π}{2}}\int_{0}^{\frac{π}{2}}\cos{u}\sin{v}|J(u,v)|dudv

  =\frac{1}{2}\int_{0}^{\frac{π}{2}}(\int_{0}^{\frac{π}{2}}\cos{u}\sin{v}du)dv

  =\frac{1}{2}\int_{0}^{\frac{π}{2}}[ \sin{u}\sin{v} ]_{0}^{\frac{π}{2}}dv

  =\frac{1}{2}\int_{0}{\frac{π}{2}}\sin{v}dv

  =\frac{1}{2}[ -\cos{v} ]_{0}^{\frac{π}{2}}

  =\frac{1}{2}

【4】

2\iint_{D}\sqrt{a^2-x^2-y^2}dxdy(D={(x,y):x^2+y^2\leqq a^2})

<解答>

2次元極座標(r,θ)に変換する。

x=r\cos{θ},y=r\sin{θ}より、J(r,θ)=\begin{vmatrix}\cos{θ} -r\sin{θ}\\ \sin{θ} r\cos{θ}\end{vmatrix}=r

したがって、面積素の面積はrdrdθである。

積分領域は図より0\leqq r\leqq a,0\leqq θ \leqq\frac{π}{2}である。

よって

与式=2\int_{0}^{2π}\int_{0}^{a}\sqrt{a^2-r^2}\cdot rdrdθ

  =4π\int_{0}^{a}\sqrt{a^2-r^2}\cdot rdrdθ

ここで、t=\sqrt{a^2-r^2}と置くと、t^2=a^2-r^2よりdr=-\frac{t}{r}dtが得られる。

また、r=0のときt=a,r=aのときt=0である。

よって

与式=4π\int_{0}^{a}\sqrt{a^2-r^2}\cdot rdrdθ

  =4π\int_{a}^{0}t\cdot r\cdot -\frac{t}{r}dt

  =4π\int_{0}^{a}t^2dt

  =4π[ \frac{1}{3}t^3 ]_{0}^{a}

  =\frac{4πa^3}{3}

 

 

ラプラス変換

ラプラス変換

F(s)=\mathcal{L}(f(t))=\int_{0}^{\infty}f(t)e^{-st}dt

元の関数とラプラス変換の関係

この広義積分(定積分)を計算する際に、t→\inftyt=0が代入されるのでtは消えて、ラプラス変換sの関数になる。

もとの関数f(t)e^{-st}をかけることによって、f(t)e^{-st}を収束させて、f(t)e^{-st}x軸に囲まれた部分の面積を計算している。

f(t)e^{-st}において、

Re(s):f(t)e^{-st}の大きさに影響

 ⇒a<Re(s)<bという条件の元でラプラス変換できる。

Im(s):f(t)e^{-st}を振動させる(e^{iθ}=\cos{θ}+i\sin{θ}だから)

 

f(t)を原関数、F(s)を像関数と呼ぶ。

積分区間0 \leqq t \leqq \inftyなのは、工学の世界では原因の前に結果が起こる(例:入力信号が入る前に出力信号が出る)ということはあまりないので、時間t < 0の部分を考えなくて良いからである。

ラプラス変換

f(t)=\mathcal{L}^{-1}(F(s))=\frac{1}{2πi}\int_{c-i\infty}^{c+i\infty}F(s)e^{st}ds

これは逆ラプラス変換の定義で、像関数F(s)から原関数f(t)を求める式である。この複素積分を計算する方法を2つ紹介する。

[1]留数定理を使った計算法

①極

 g(s)において

 <例1>g(s)=\frac{1}{6(s-a)^{3}(s-b)^{5}}なら、s=aは3位の極、s=bは5位の極

 <例2>g(s)=\frac{e^{2s}}{2(s-c)^{4}(s-d)}なら、s=cは4位の極、s=dは1位の極

 

②留数

 留数:ローラン展開における-1次の項の係数

 g(s)において、s=aがm位の極のとき、

 留数Res_{s=a}g(s)=\frac{1}{(m-1)!}\lim_{s→a}\frac{d^{m-1}}{ds^{m-1}}{(s-a)^{m}g(s)}

 

③留数定理

 周回積分積分経路内の留数の和に2πiをかけて計算できる。

 

図2.1

図2.1のような積分経路なら、\oint_{C}g(s)ds=2πi(Res_{s=a_1}g(s)+Res_{s=a_2}g(s)+Res_{s=a_3}g(s))

ジョルダンの補助定理

ジョルダンの補助定理の積分経路

上の図の積分経路において、\int_{C_1}g(s)ds=\oint_{C_2}g(s)dsが成り立つ。証明略

 

④留数定理とジョルダンの補助定理で計算

積分経路C_2に内側に極があれば②の留数定理を使うことが出来る。ここでC_2の半径は∞なので、全ての極がC_2の中にある。

よって、

f(t)=\frac{1}{2πi}\int_{C_1}F(s)e^{st}ds=\frac{1}{2πi}\int_{C_2}F(s)e^{st}ds\\=\frac{1}{2πi}2πi(Res_{s=a_1}F(s)e^{st}+Res_{s=a_2}F(s)e^{st}+・・・)\\=Res_{s=a_1}F(s)e^{st}+Res_{s=a_2}F(s)e^{st}+・・・

 

したがって、逆ラプラス変換は下のような留数の和として計算できる。

f(t)=\mathcal{L}^{-1}(F(s))=\sum_{n}Res_{s=a_n}F(s)e^{st}

 

[2]部分分数分解を使った計算法

微分積分の公式を覚えたときのように、原関数と像関数のセットを暗記して計算する方法。

\mathcal{L}(af_1(t)+bf_2(t))=a\mathcal{L}(f_1(t))+b\mathcal{L}(f_2(t))

\mathcal{L}^{-1}(aF_1(s)+bF_2(s))=a\mathcal{L}^{-1}(F_1(s))+b\mathcal{L}^{-1}(F_2(s))

このように線形性があるため、以下のようなものを覚えていれば計算できる。

 

ラプラス変換表(公益社団法人 日本電気技術者協会から引用)

この方法でのラプラス変換/ラプラス逆変換には、テクニックや覚え方、簡単に公式を導出する方法、コツなどがあるので、後に別の記事で説明する予定。

ベクトルの線積分

 

 

仕事(物理量)

物体が直線に沿って運動した場合の一定の力Fがした仕事

図1.1

図1.1のように物体に一定の力Fが加わり、物体が一直線上にxだけ移動した場合、この力がした仕事の大きさはW=Fxcosθである。

実は、仕事はベクトルの内積になっている。xは変位ベクトル\vec{r}の大きさ、Fは力ベクトル\vec{F}の大きさとすると、\vec{F}\cdot\vec{r}は、\vec{F}\vec{r}の向きにした仕事Wを表していることが分かる。すなわちW=\vec{F}\cdot\vec{r}であることが分かる。

【1】一定の力\vec{F}=(2,3,4)を受けながら物体が直交座標系の点A(1,-1,0)から点B(3,2,4)へ移動した。\vec{F}がした仕事を求めよ。ただし、長さの単位をm,力の単位をNである。(【】の解説・解答は一番最後に書いてある。)

 

力が変化したり曲線上を運動する場合

微小な位置変化ごとの仕事に細かく分割し、それらを全て連続的に足す必要がある。(積分)

図1.2

図1.2では、青い→が物体がその位置にあるときに働いた力\vec{f}を表し、緑の→が微小な位置変化d\vec{r}を表す。それぞれの場所でした仕事dW=\vec{f}\cdot d\vec{r}を全て足し合わせた合計が全体での仕事Wになる。

W=\int_{C}{\vec{f}}{\cdot}{d\vec{r}}が結果だが、このままでは計算できない。これの計算法が本題「ベクトルの線積分の計算法」になる。

積分の計算法

\vec{f}は位置\vec{r}によって決まるので、\vec{f}=\vec{f}(\vec{r})と表せる。

位置\vec{r}は座標(x,y,z)なので、\vec{r}=(x,y,z)と表せ、\vec{f}(\vec{r})も座標(x,y,z)の関数\vec{f}(x,y,z)=(f_x(x,y,z),f_y(x,y,z),f_z(x,y,z))と表せる。

手順1:積分経路Cをパラメータ表示(媒介変数表示)で表す

図1.2の曲線Cを積分経路と言う。この経路は(x,y,z)=(x(t),y(t),z(t))のようにパラメータtを用いて表すことが出来るため、\vec{r}をこの経路Cを表すように指定することができる。

この操作を行うと、\vec{r}=\vec{r}(t)=(x(t),y(t),z(t))(a \leqq t \leqq b)のようになる。

積分経路C:r(t)はr(a)とr(b)を移動する

手順2:置換積分で計算する。

位置\vec{r}=(x(t),y(t),z(t))が定まったため、位置によって決まる力\vec{f}(\vec{r})も定まる。\vec{f}(\vec{r})=\vec{f}(x,y,z)\vec{r}=(x(t),y(t),z(t))を代入すれば、\vec{f}tの関数として表すことができ、置換積分で計算することができる。

\int_{C}\vec{f}(\vec{r})\cdot d\vec{r}=\int_{a}^{b}\vec{f}(\vec{r}(t))\cdot\frac{d\vec{r}(t)}{dt}dt

内積スカラーになるため、これはただt積分するだけで計算できる。

 

【2】平面内を運動する質点に働く力\vec{f}\vec{f}(x,y)=(axy,by^2)で与えられるとき、次の問に答えなさい。

(1)x軸上の点A(r,0)からy軸上の点C(0,r)まで、半径rの円周に沿って動く場合の\vec{f}のする仕事を求めよ。

(2)x軸上の点A(r,0)からy軸上の点C(0,r)まで、線分ACに沿って動く場合の\vec{f}のする仕事を求めよ。

 

問題の解答

【1】変位\Delta\vec{r}=\vec{AB}=(3,2,4)-(1,-1,0)=(2,3,4),力\vec{F}=(2,3,4)なので、

仕事\Delta W=\vec{F}\cdot\Delta\vec{r}=2\cdot 2 +3\cdot 3 +4\cdot 4=29[J]

 

【2】

(1)

(1)の積分経路

この経路はC_1:\vec{r}=(r\cos t,r\sin t)(0\leqq t\leqq\frac{π}{2})と表せる。

\vec{f}=(axy,by^2)x=r\cos t,r\sin tを代入すると、\vec{f}=(ar^2\cos t\sin t,br^2\sin^2 t)となる。

よって、

W=\int_{C_1}\vec{f}\cdot d\vec{r}=\int_{0}^{\frac{π}{2}}\vec{f}\cdot\frac{d\vec{r}}{dt}dt\\=\int_{0}^{\frac{π}{2}}(ar^2\cos t\sin t,br^2\sin^2 t)\cdot(-r\sin t,r\cos t)dt\\=(b-a)r^3\int_{0}^{\frac{π}{2}}\sin^2 t\cos t dt=\frac{b-a}{3}r^3

(2)

(2)の積分経路

この経路はC_2:\vec{r}=(r-t,t)(0\leqq t\leqq r)と表せる。

\vec{f}=(axy,by^2)に代入すると、\vec{f}=(a(r-t)t,bt^2)と表せる。

よって、

W=\int_{C_2}\vec{f}\cdot d\vec{r}=\int_{0}^{r}\vec{f}\cdot\frac{d\vec{r}}{dt}dt\\=\int_{0}^{r}((a+b)t^2-art)dt=\frac{2b-a}{6}r^3